修復工事の終了とともに、段葛(だんかずら)の桜が見頃となりました
1年半にわたる改修工事を終え、生まれ変わった段葛。3月30日午後に、竣工式と通り初めが執り行われました。
この日は、時おり薄陽の射す花曇り、桜の花は五分咲きといったところでしょうか。平日にもかかわらず、若宮大路、二の鳥居の周辺にたくさんの人が集まりました。歩道は、式を見守る人々であふれ身動きできないほどに
鎌倉に住む人も、鎌倉を訪れる人も、段葛のお披露目を心待ちにしていたのです。
まといや木遣りの威勢のいい皆さんを先頭に、歌舞伎の中村吉右衛門さんをはじめ修復工事に関わった方々約200人が、初々しい桜の咲く下を歩き、通り初めとなりました。
二の鳥居から三の鳥居まで約500mを歩いた後、中村吉右衛門さんが、舞殿で祝いの舞を奉納しました。早くから舞殿の周囲で奉納舞を見ようと集まっている人も多かったようで、境内は熱気にあふれていましたよー
通り初めの後、段葛はすぐに一般に公開されました。
外側から見ると、まだまだ桜が咲ききってないように見えましたが、段葛に入るとまっすぐに伸びた道の両側に花房の枝が重なってきれい
段葛は、皆さんご存知のように三の鳥居に近づくにしたがって道幅が狭くなっていきます。なので歩いていると、だんだんと花の密度がアップしていくように見えます。実際、二の鳥居近くでは三分咲きぐらいだった桜が、三の鳥居近くでは五、六分咲きになっていたんですよ。
今回の改修工事の中で、予測していたより浅いところで鎌倉時代の土層が見つかったんだそうです。この古い土層を保護するために、60cmほど土を盛ってかさ上げしました。そのためか、新しい段葛はクルマが通る道路との高低差が増して、見晴らしがよくなったように感じます。両脇真横をかなりの交通量でクルマが行き来してますが、ほとんど気にならなかったです。
かなりの人出で混み合っていたものの、新しい段葛はゆったりしていて歩きやすくなりました。桜の季節が過ぎても、素敵な散歩道になりそうです。
日が暮れると、灯籠に灯が灯ると聞いて、7時ぐらいに行ってみました。
まっすぐに並んだ真新しい灯籠が灯されていました。それぞれ桜の木の根元にも、ライトがセッティングされていて柔らかく花を照らしています。
夜桜のためのライトアップじゃなくて、歩く人のための灯りといった感じなんです。そのほんのりした光が、雰囲気たっぷり。桜が夜空にとけ込んでいくように見えて、すてき
夜になって、若宮大路のお店のほとんどが店じまいし、人の流れが収まった頃、
近所の人たちやワンコ連れの人たちもやってきて、のんびりした夜桜見物となりました。
段葛がオープンして、若宮大路が鎌倉の主役の座を取り戻しました。工事の間に、段葛の東側にもいくつか新しいお店がオープンしたし、今年の桜の時期に合わせて新装開店したお店もあります。小町通りも楽しいけど、八幡さまにお参りするなら、やっぱり段葛を歩かなくちゃ!
通り初めで、お姿を拝見した中村吉右衛門さん! やっぱり歌舞伎役者が加わると、歩いているだけなのに華やかさがちがいます!
沿道に集まった人の中には、ご贔屓の方々もいらしたようで一段高くなった段葛の上を歩く姿に、歌舞伎の舞台みたいに掛け声がかかっていました。声がかかると、その方向に、そっと会釈する吉右衛門さんがとってもすてきでしたよ。
……実は、中村吉右衛門さんが舞殿で奉納した舞は、目にする事ができなかった……ものすごい人気で、混雑で、舞殿までたどりつけませんでした…