秋に咲く萩の寺として名高い宝戒寺。春には、咲き方いろいろ、表情さまざまに咲く梅が楽しめます
趣のある枝を広げた枝垂れ梅、ここ数年、何度も台風の被害にあって枝ぶりがこんじまりしつつあるものの、宝戒寺の春の主役です。7、8年ぐらい前は、こんもりと雪が積もったようにみっちりと花がついたのですが、近年のちらちらと降る淡雪のように咲く姿も趣深し
樹齢を重ね、樹勢は盛りを越えているものの、枝垂れた梢に八重咲きの丸い花が浮かぶように咲いて、侘びた風情とともに凛とした力強さを感じます。
この古木の枝垂れ梅が咲き始めるのは、境内の他の梅が満開を迎えた頃から。今年も、ゆっくりと咲いて、鎌倉らしい鮮やかな青空に柔らかな花を浮かべていました。
参拝受付を入ってすぐのところに、八重の紅白の花が混じって咲く “思いのまま” という品種の梅が咲いています。まさに、思いのままに咲く梅で、白と濃いピンク、淡いピンクの花が混じります。
勢いのある木で、空に向かって伸びた梢にはみっちりと花がついていました。ところどこにピンク色の花が見え隠れして立体感があり、もくもくと沸き立つように元気です
本堂脇にある大聖歓喜天堂には、恋愛成就や夫婦円満のご利益をもたらしてくれるという秘仏・歓喜天が安置されています。宝戒寺の境内の中では、このあたりの梅がいち早く咲き始めていました。
このお堂の周りに咲く梅は、ひときわ華やか
大聖歓喜天は、男女の神様が抱き合っているという艶っぽいお姿の神様だそうですが、お堂のガラス窓に、白く輝く白梅と鮮やかな紅梅が写り込んで、恋愛成就、夫婦円満のパワーを感じちゃいました
大聖歓喜天堂の前にあるベンチで、梅の香りに包まれてちょっと一休み 木の枝にはメジロが飛び回り、足元にはセキレイがちょこちょこ……なんだか楽園の雰囲気に
梅の花のさまざまな表情を楽しめる宝戒寺。
境内の梅はつぎつぎと盛りを迎えて、見頃が長く続きます。
若宮大路沿いに植えられた玉縄桜が満開を迎えています。
通りがかった人が、
「この花、何? 桜じゃやないよね?」
「早すぎ! 狂い咲き?」
…なんて言ってる声も聞こえますが、玉縄桜は早咲きで、2月終わりから咲き始めて3月下旬まで咲き続けるという花持ちの良さが自慢です! 神奈川県立フラワーセンター大船植物園で、ソメイヨシノをもとに育成された桜で、平成二年(1990年)に品種登録されたのだそうです。
花数も多くて、なんだかたくましい雰囲気があって、鎌倉らしい桜だなぁって思います。