扇谷山 海蔵寺。臨済宗建長寺派。
扇ガ谷の奥に、静かな佇まいをみせる “花の寺”。四季を通じてさまざまな花々が咲く。
門前に鎌倉十井のひとつ「底抜けの井」があり、境内、薬師堂脇の小道を入っていくと、岩窟の中に16個の丸穴から水が湧き出る「十六の井」がある。
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地図
鎌倉市扇ガ谷 4-18-8
0467-22-3175
JR鎌倉駅より徒歩約20分
拝観時間 9:30~16:00
「十六の井」拝観料 100円
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海蔵寺の見どころ
谷戸の美しさがぎゅっとつまった花の寺
境内はこじんまりとしていますが、茅葺の庫裏や鐘楼と植物の配置バランスが素晴らしく、境内をさまざまな角度から見て楽しむことができます。ゆったり時間をとって訪れたいお寺です。
本堂の軒先にベンチが置かれています。海蔵寺は鎌倉駅からちょっと遠いので、ここで休憩できるのがうれしい。参拝した後、このベンチで一休みがおすすめです。静かな谷戸の風情、明るい陽射し、小鳥たちの声が響きます。
花々が絶えることなく
2月中旬から白梅が咲き始め、3月になると薄紅色の枝垂れ梅が咲きます。境内の梅は、少しずつ時期がずれて咲き、見頃が長く続きます。晴れた日にはにぎやかなメジロのさえずりがかわいらしい!
4月の海棠が咲く頃には、源氏山の桜が寺の背景となり、まさに春爛漫の風景。かなり上手なウグイスの唄が谷戸に響きます。
訪れる人が少なくなる真夏、ここにはノウゼンカズラが豪華に咲きます。蜜の多いノウゼンカズラの花には、アゲハチョウがやってきて優雅に花の周りを舞い、お寺の背後の源氏山からはセミの声、本堂前に置かれた鉢にはハスが咲きます。
そして秋、9月には圧巻の萩。山門前の階段に、滝のように萩の枝がのび、花をかき分けて境内に入ります。
晩秋の紅葉の季節も美しい。境内だけなく、鎌倉駅から海蔵寺へと向かう道すがらにも、瀟洒な住宅街の中に多くの紅葉する木々が見られ、駅からちょっと遠いですが行き帰りの散策も楽しめます。紅葉の見頃が過ぎたころには、水仙が咲き始めます。
寒さがいちだんと厳しくなる2月の始めごろ、澄んだ冬の陽射しを集めて福寿草が咲きます。北風が吹いても、福寿草のまわりはポカポカと暖かそうで、鎌倉の春の訪れの早さを感じさせてくれます。
- 歴史
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応永三年(1394)、第二代鎌倉公方・足利氏満の命により創建。開山に迎えられた心昭空外は、謡曲「殺生石」に登場する玄翁和尚として知られる。
『殺生石(ウィキペディア)』
- 境内
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本堂
開山の心昭空外坐像を祀る。
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薬師堂
御本尊の薬師如来坐像は、胸のところに扉があり、その中に境内の土中から発掘された仏面が納められている。啼薬師、児護薬師とも呼ばれ、子供の幸福を守る仏様として信仰されている。
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庫裏
江戸時代中期に建てられた茅葺の二階建て。
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底抜ノ井
鎌倉十井のひとつ。鎌倉時代の武将・安達泰盛の娘・千代能が、この井戸で水を汲んだ際、桶の底が抜けたことをきっかけに悟りを開いたという言い伝えがある。
『月百姿 千代能』芳年画
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十六ノ井
境内の薬師堂の脇の細い道を進むと、崖に掘られた洞穴の中に丸く掘られた浅い窪みが16個規則正しく並ぶ。現在も水が湧き続けている。
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岩船地蔵堂
海蔵寺から徒歩5分ほどのところに岩船地蔵堂がある。この地蔵堂は、海蔵寺の管理するお堂で、源頼朝の息女・大姫の守本尊であった岩船地蔵が祀られている。
頼朝は、人質として鎌倉に送られてきた木曽義仲の長男・義高を幼い大姫の許婚としたものの、義仲を討ったのちに義高も斬首してしまう。この時、大姫は6歳、義高は11歳ぐらいだったと言われているが、義高を失った大姫は、心を閉ざし病に伏せりがちとなり、若くしてこの世を去ることとなった。
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