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邸宅の中に爽やかな風が吹き抜ける[旧華頂宮邸]

SITE見聞|2019年10月10日

2019年10月5日、6日、『旧華頂宮邸 秋の施設公開』が行われました。

鎌倉 旧華頂宮邸
映画やテレビドラマにもたびたび登場するロマンチックなお屋敷です。

旧華頂宮邸は、昭和の始めに建てられた洋風住宅建築で、国の登録有形文化財(建造物)に指定されています。鎌倉市が保有し庭園として外観のみ公開しているのですが、春と秋の年に2回、各2日間、建物内部の公開が行われています。

鎌倉 旧華頂宮邸
公爵ご夫妻が住まわれていた頃を偲ばせる、スチーム暖房用の大理石のマントルピース。

この建物は昭和四年(1929)の春に、華頂博信侯爵がご自身の住まいとして建てたものです。南面に幾何学的なフランス式庭園が広がり、 生活空間らしいこじんまりとした佇まいの中に優雅な雰囲気を残したお屋敷です。

鎌倉 旧華頂宮邸
ベランダのある2階の部屋。南向きの窓から明るい光が入ります。
鎌倉 旧華頂宮邸
北向きの窓は、緑を背景に美しいシルエットが浮かびます。

鎌倉 旧華頂宮邸
畳敷きのお部屋も! 
鎌倉 旧華頂宮邸
窓から見える銅板葺きの屋根。

華頂侯爵夫妻がここに住んだのは数年のみで、その後はたびたび所有者が入れ替り、壁紙や照明器具などは建築当初とは変わっています。住む人がいない時期もあり、一時は建物の老朽化が進んで取り壊しが検討されたこともあったそうです。

現在、私たちがこのお屋敷のお庭や邸内の様子を楽しむことができるのは、『宅間ボランティアの会』の方々の活動のおかげです。旧華頂宮邸がある宅間谷(たくまがやと)にお住まいの皆さんが中心となって、施設の手入れや管理などを行うとともに、鎌倉市と協力して、施設公開や季節イベントを行っています。

鎌倉 旧華頂宮邸
2階からフランス式庭園を見下ろします。
鎌倉 旧華頂宮邸
凝った窓枠が庭の緑を引き立てます。

鎌倉 旧華頂宮邸
谷戸の奥、森の中のお屋敷といった趣きです。

施設公開の日には、ボランティアの方によるコーヒーのサービスがあります

爽やかな風が通る広間で、とびきりのコーヒーブレイクしました

 

旧華頂宮邸は、竹の庭で知られる報国寺の奥にあります。

鎌倉 旧華頂宮邸
真夏にはあまり見かけなかった蝶たちが、秋風とともに姿を現していました。

宅間谷戸(たくまがやと)と呼ばれる鎌倉ならでは谷戸の景観がよくのこる地域で、かつては全域が報国寺の寺領だったところです。閑静な住宅地(…というよりお屋敷町)で、古くは平安時代後期から南北朝時代まで続いた絵師・絵仏師の流派・宅間派の芸術家たちが住み、旧華頂宮邸が建った昭和の初め頃には、川端康成、林房雄といった近代日本を代表する小説家の住まいもこの地域にありました。

自然の中に、やぐらなどの古くからの人工物がとけ込んで、鎌倉が歴史を持つ “古都” であることを感じさせる景観を保っています。

旧華頂宮邸のお庭は、春は桜やツツジ、初夏に紫陽花やバラ、盛夏に百日紅、深秋の紅葉も美しいところです。報国寺を訪れたときには、少し足を伸ばして旧華頂宮邸も訪ねてみてください。

旧華頂宮邸

鎌倉市浄明寺 2-6-37
JR鎌倉駅より徒歩約35分
JR鎌倉駅東口より、京急バス5番のりば「金沢八景行き」「鎌倉霊園正門前太刀洗行き」「ハイランド循環」いずれかに乗車。浄明寺バス停下車、徒歩4分。

<庭園公開>
開園時間
  10:00~16:00(4月~9月)
  10:00~15:00(10月~3月)
休園日:月・火曜日(祝祭日の場合は開園とし、次の平日を休園)/年末年始
入園料 無料
施設の維持・修繕のために寄附金を募集しています。庭園入口に募金箱が設置されています。
https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/keikan/k-index1.html

最寄り駅からのアクセス(行き方)

現在地からのアクセス(行き方)※ルート探索にはGoogle Mapを使用しています。「現在地からのアクセス」は位置情報をGoogle Mapに送信する必要があります。

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