報国寺、竹の庭の中にあるお茶席・休耕庵が新しくなりました。
境内のお庭や竹林の中の散策路にも手が入り、清々しい雰囲気。静けさに満ちています。
昨年の12月から、今年2月いっぱい、報国寺では緊急防災工事が行われていました(その間、休耕庵のお茶席はお休みしていました)。境内を囲む崖が崩れかかっていたようで、岩盤を補強したり、倒れそうな樹木を伐採したりしました。
竹林の竹も、育ち切ったものが間引かれていましたが、もう少しするとタケノコが出てきます! これから春に向かって、よりいっそう美しさを増していくでしょう
休耕庵も補修されて、建物の形は以前と変わらないようですが、白木に赤い毛氈の敷かれた席が整えられ、ほの暗い竹林の中でほんのり明るい空間になっています。茶席の背後にあるお茶室も修繕されて、今後はここで本格的なお茶会なども開かれるようになるのかもしれません。
休耕庵は、竹の庭の奥。水の落ちる天岸の岩を眺められる特等席です。
この席につくと、皆さん自然と言葉少なく、小声になってしまうみたい 鳥のさえずり、水の落ちる音、小さな音が良く聞こえてくるように感じます。
この日は、春が近づく三寒四温のまさに寒の日で、曇空で風は北風。じっとしているとどんどん冷えてくるような日だったのですが、「春爛漫に向けて練習中!」といった趣のウグイスの声が聞こえてきて、なんだかうれしくなってしまいました。
休耕庵では、お茶をいただいてのんびりゆったり過ごしたい……報国寺を訪ねるなら、午前中なるべく早めに行くことをお勧めします。午前11時ぐらいになるとかなり人出が多くなってきます。
ちょっと名残り惜しいけど、混み始めたお茶席を出て、竹林の中を歩きます。
人が多くなってきても、竹の合間に隠れてあまり混雑が気にならないかな……。時おり薄日が差してきて、陽射しが入ってくると竹林の中の景色が変わっていきます。振り返ったり、上を見上げたり、ぐるぐると3、4周ほど歩き回ってしまいました
足利一族の墓所であるやぐらは、近くまで入る事はできませんが、前面に梅や椿など早春の花々が咲き残り、そこに重なるように早咲きの桜が咲いていました 本堂横の石庭には、サンシュユが淡い黄色の花を咲かせていて春そのものの景色。
緑の濃淡に包まれた竹林を歩き回った後、春色の景色に迎えられました。
淡い色彩が、ひときわ新鮮に暖かく見えました。
鎌倉の中でも、トップクラスの人気を誇る報国寺。防災工事にともなって境内が整えられ、散策路も歩きやすくなりました。お抹茶もいただけるし、せっかくなのでおしゃれして行きたい場所……そういえば、着物姿で来ている方々がいて、ちょっとうらやましかった……。
竹林の美しさはもちろんですが、境内には四季の花が散りばめられ、苔の緑も美しいお寺です。
これからだと、本堂前の大きな桜の木が楽しみ。5月にはシャガが咲き、鎌倉中が盛り上がる紫陽花の季節になると、ここでは可憐なミヤコワスレが咲きます。