二階堂の奥、瑞泉寺は鎌倉駅から遠い。
駅前からバスで10分、大塔宮バス停で下車して、そこから歩いて15分ほどで拝観受付に到着、さらに杉木立の中に続く階段を上って山門にたどり着きます。遠いのですが、いつも、何度来ても「来てよかった〜
」と思えるところです。
▲白い花々が清々しく咲き誇る境内。「鎌倉 花の寺」として知られる瑞泉寺。ここに咲く花たちは、“ちょっぴり遅咲き” なんです。
9月の終わりに襲来した台風が、鎌倉でも広い範囲で塩害をもたらし、咲き始めた秋の花々もかなり痛めつけられてしまいました。
そんな中、瑞泉寺の芙蓉と秋明菊は、“ちょっぴり遅咲き” だったおかげで見事に咲いてました
参道の階段を上りきって山門をくぐると、まずは秋明菊に迎えられます。
▲すらりと伸びた秋明菊。軽やかな咲きっぷりです。鎌倉ならではの強い陽射しを大きな楓の木が遮る下、真っ白な花が、ちょっと日陰になったところを照らすように、明るくたくさん咲いていました。
まん丸のつぼみもいっぱいでかわいい。濃い緑の葉や、しなやかに伸びた茎の姿も清々しい風情です。
本堂の前の芙蓉も、まさに見頃となっていました。真っ白な大きな花を太陽に向かって咲かせます。石畳の参道の両側にずらりと並び、まるで来る人を本堂に導くようです。
▲日差しに向かって咲く花。秋の空色に似合っています。
瑞泉寺を訪れるといつも思うのですが、境内でもこの本堂のあたりまで来ると空気が澄んでいるのが良くわかります。見上げる空も、一段と高く感じました。
▲清らかな空気がみちています。
▲花の盛りの時期でも、落ち着いた雰囲気をたたえたお寺です。10月に入っても、気温30℃を越す日があったりして、なんだか秋を実感できないでいたんですが、
二階堂の谷戸の奥、瑞泉寺で、心身ともに爽やかな秋の空気に満たされました。

9月末の台風は、鎌倉でも住宅の塀が倒れたり、商店の看板が飛ばされたり、さまざまな被害をもたらしました。塩害ですっかり葉を枯らしてしまった樹木も目立ち、銀杏や楓などこれから紅葉を迎える木々もかなりのダメージを受けています。
▲瑞泉寺の境内の楓は、青々と元気でした。今年(2018年)の紅葉の季節、色づく木々が残っているか心配で、谷戸の奥や山の陰で少しでも塩害の少ないところがないか探して歩いています。
瑞泉寺は、東南に山がある谷戸の奥。お寺を囲む山の木々は、茶色く塩焼けしているところも目立つのですが、境内の楓の木々は杉の木立に守られたのか、比較的ダメージ少なめでした!