まんだら堂やぐら群は、鎌倉七口のひとつ名越切通(なごえ きりどおし)の中にあります。まだ発掘調査中で、普段は閉鎖されているのですが、秋の臨時公開が行われたので行ってみました。
“やぐら” とは、鎌倉時代中頃から室町時代末期ごろに造られたお墓です。岩盤をくりぬいた中に、火葬した遺骨を納める穴などの納骨施設があり、供養塔・石仏などが納められています。
まんだら堂やぐら群は、一つひとつは2~3m四方の大きさで、構造も単純なものがほとんだそうですが、現在150穴以上が確認されている大規模なやぐら群です。
やぐらの中の石塔などは後の時代に動かされているので、発掘調査中も鎌倉時代そのままの様子が出てきたというわけではないのですが、遺骨や火葬した跡などが見つかっています。
さて、この史跡は「まんだら堂やぐら群」という名称ですが、まんだら堂は……ありません!
本当にまんだら堂という建造物があったかどうかも不明。いつからこの場所が、“まんだら堂” と呼ばれていたのかもわからないんです。
発掘調査が進んだのもここ数年のことで、10年ほど前までは、アジサイとハナショウブが群生する場所として、地元住人のお花見スポットとして知られていました。
発掘調査のためアジサイは刈り取られてしまいましたが、平成26年度中に史跡公園として公開するための準備がすすめられています。徒歩10分ぐらいのところにあるバス停からの道(…というよりほぼ階段?)も整備されたので、かなり行きやすくなっています。以前はもう、ほんとうに藪草をかき分けて行くって感じでしたからね。
史跡公園として公開されるようになれば、人気スポットになりそうです。
●まんだら堂やぐら群
歴史公園としての公開期日は未定ですが、平成26年春(3月頃)に臨時公開されることが決まっています。
公開期間などについてはこちらで告知されます→逗子市 文化財保護
いつもは閉鎖されているまんだら堂入口の階段を上がると、ドーンと視界が開けてスケール感いっぱい! やぐら群ってことは霊園みたいなものですから、おどろおどろしい雰囲気を期待する方もいると思いますが、初冬の晴天すっきりとさわやかでした。
上から全体を眺めることができる展望台ができていて、ぐるっと緑に囲まれ広々した敷地の中にベンチもあるし、名越切通ハイキングのクライマックスという感じです。
お墓に囲まれている場所なのですが、なぜだか気持ち良くくつろげちゃう雰囲気がありましたよ…なぜ??