美鈴の十二月のお菓子は「木枯」。
切り分けて頂く棹物のお菓子です。三角の形を活かした包みも面白みがあってわくわく、ずっしりとした手ごたえに期待が高まります!
開けると、白い包み紙の内側に、真っ赤な紙が重ねられているという洒落モノです。お菓子そのものは餡の色とお砂糖の白という冬らしい色彩の少なさで、お正月の前のあわただしくも静かな冬の風情ですね。
切り分けると屋根に雪が積もった田舎家の形。豆の粒がしっかり残った小豆餡を、ちょっと透明感のある村雨餡で包んでいます。
屋根の砂糖のざらっとした感じ、少し乾いたような歯ごたえのある村雨餡、その中の小豆餡は柔らかく溶けます。餡子が溶けると、パワフルな豆の香りが口の中に広がりますよ。
粒々の餡子は、しっかりした甘さがあるのに豆の皮の食感のおかげかすっきりとした味わいでした。一口で味にも感触にも変化があって、小豆ってこういう味がするんだなーとしみじみ楽しめるおいしさです。
12月に入って、街中はあちこちクリスマスの色合いです。
そんな中で「木枯」は、クリスマスじゃない12月の風情を思い出させてくれました。
鎌倉駅周辺がクリスマス仕様になっています。駅前の街路樹は夜になると電飾が点くし、鎌倉駅西口も、可愛らしい駅舎の形に電飾されてるんですよっ!
ものすごーく地味なので、ひと目ではクリスマス用に見えません…ふだんはついてないので、クリスマス用なんだなーと思うだけなんですけど……もしかしたら正月用かもしれないけど……。