二月の美鈴のお菓子は、「をさの音」。
「をさの音」とは、機織りのときの音のこと。昔は、家の中でできる機織りを、寒い時期の仕事としてする家庭が多かったとか。機織りの音は、寒さが厳しくなるころに響く、季節の音というわけなんですね。
機織りに使う糸巻きの形を模した、小倉餡のお菓子です。糸巻きの芯になっているのは、ごぼうです。箱の中に、がさっと入っている感じが、本当の糸巻きの箱を開けた時みたいで、いかにも道具っぽい。梅花の落雁が、春遠からじ…の趣です。
▲蜜で煮たごぼうは、透明感があってきれいです。なんで、ごぼうなんだろう?
……って思ったのですが、食べてみたら小倉餡の芯になるのはごぼう以外ありえない!って思いました。この細長い形だから、端からパクって噛み切りますよね? そのときの、しゃきっとした繊維質たっぷりな歯触りが、「をさの音」独特の魅力になっています。
餡のおいしさをそのまま味わうお菓子ですが、食べて実感のごぼうの存在感。ごぼうを使ってこその、この形と大きさになってるんだなぁ…と納得してしまいました。
蜜煮のごぼうに餡を巻いて、手で形を整えて、砂糖をまぶすというシンプルな作り方。
素材の組み合わせの妙で、他にない味わいになっています。
▲二月の上生菓子
最近、平日でも鎌倉、人出が多いなーと思ってたら、江の島のイルミネーションがすごいことになってると聞きました。今週末から来週末にかけては、鎌倉でバレンタインデートだなー。昼間に鎌倉散策して、暗くなる頃、江ノ電で江の島に向かうっていうプランでしょうか。
七里ガ浜あたりで途中下車して、夕陽の浜辺を歩いたり、おしゃれカフェでサンセットを眺めるとか、ステキうらやましい。