鎌倉では、住宅の立て直しの時に、遺跡が出ること、よくあります!
材木座にある、家の建て直しをするお宅の敷地です。9月の初め頃から発掘調査が始まり、近所なので時々覗いておりました。井戸を中心に集まって建てられた住居跡だそうです! 鎌倉時代の中期から戦国時代の初め頃にあった集落だろうとのことです。
家は質素なつくりで、かわらけ(素焼の土器)や貝の殻など生活感のある遺物が出てきました。
このあたりは、鎌倉時代の政治や商業の中心地からはずれているし、そのころには砂浜の近くだったはず。凝った瀬戸物や外来品はなかったということで、比較的、貧しい人々の生活の跡と考えられます。
←井戸はかなり良い状態で見つかって、枠組みに使われていた木材が、新品みたいにきれいだったそうです。何軒かの家で、共同で井戸を使っていた……まさにここで井戸端会議をしていた人たちがいるんですよ! 600年ぐらい前に!
井戸の写真を大きくして見ると、木材の質感がフレッシュなのがわかると思います。タイムカプセルを開けたみたいですね!
「武家の古都 鎌倉」というキャッチコピーがありますが、実際には農民、漁師、職人、商人などなど、いろんな立場のいろんな人々が、この地で歴史を作ってきたんだなぁーと、発掘作業を見ながらしみじみ……。
この材木座の遺跡は、“貧しい人々の生活の跡” だそうですが、ハマグリや大きなアワビの殻なんかがたくさん出てきたそうですよ!
採れたての新鮮貝類が常食だったのでしょうか? 現代の価値観で見れば、ごちそうだっ!!
⇒鎌倉市ホームページ/鎌倉の埋蔵文化財
ここでご紹介した遺跡についてのものはまだありませんが、これまでに鎌倉市内で発掘された埋蔵文化財の資料を公開しています。
この発掘現場の周辺は、いたってふつうの住宅地です。この辺りでは、家の建て替えのときに掘ってみたら “なにか” が出てくるのは、ほぼ当たり前って感覚です。
鎌倉では、建築工事が始まると、たいていまず「埋蔵文化財 発掘調査中」の看板が出ます。覗いてみると、けっこうなまなましい発掘現場が間近に見えちゃうことがあります。場所によっては、馬や人の骨が出ることもあるんですよ! どきどき!!