7月に入って、JR鎌倉駅からの人の流れが海へと向かうようになりました。
社寺の境内に蝉の声が響き、街中、眩しい夏の日差しでいっぱいです。強い光と濃い影の中にあって、いちだんと鮮やかに咲くのは、ノウゼンカズラ
オレンジ色の大きな花々は、強烈な太陽の光に負けません!
妙本寺
祖師堂に向かう参道は、大きな樹々に囲まれて日差しから逃れる木漏れ日の道。階段を上がって、二天門をくぐると、鮮やかに咲いたノウゼンカズラに迎えられました。
木陰の参道を上がってくると、祖師堂前の開けた空間に真夏の太陽が照りつけていました。
二天門を入って、右手には藤棚のように仕立てられたノウゼンカズラ。左手には、梅の木(たぶん…未確認)にからんで茂ったノウゼンカズラがあります。どちらも、たっぷりと蕾をつけて、これから7月いっぱいぐらい次々と咲いていきます。
とても静かな妙本寺境内
ときおりガイドさんと一緒に団体さんがやってくることはあるけれど、その人たちが去ってしまうと、周囲の樹々の中から蝉の声が聞こえてきます。それから、意外なほどに大きく響くウグイスのさえずり! 夏のウグイスは鳴き声も力強く感じられ、燦然と咲くノウゼンカズラによく似合っていました。
海蔵寺
扇ガ谷の奥、海蔵寺は鎌倉駅から歩いて約20分。夏の日差しが照る日には、ちょっとハードな道程ですが、ノウゼンカズラが咲いていることを知っていればモチベーションが上がります。
花の寺として名高い海蔵寺。春の海堂、秋の萩で知られていますが、真夏のノウゼンカズラもひときわ素晴らしいのです こじまりとしたお寺ですが、境内の建物と植物の配置が絶妙で、文字通り “絵になる” 景色を発見することができます。
空に向かってつるをのばし、のびのびと咲く姿が清々しいノウゼンカズラ。少し離れて全体を眺めたり、木の下から見上げたり……。暑い夏の昼下がり、平日だったおかげもあって、ほぼ独り占めで花盛りの景色を楽しみました。
ノウゼンカズラは、漢字で「凌霄花」と書きます。“凌” は、”しのぐ・のしあがる”、 “霄” は、”大空” の意味なので、「空高くのび上がっていく花」といったところでしょうか? 花の色も、太陽の光を思わせる濃いオレンジ色で、まさに夏の花。とても日当たりを好む植物だそうで、ジリジリと灼けつくような夏の真昼に暑さを楽しんでいるかのように咲き誇っています。
鎌倉では、個人のお宅の塀や、軒先でも見事に咲く様子をよくみかけます。夏中ずっと咲いているというイメージがあったのですが、調べてみたら木によっては6月下旬と8月末ごろに2度咲きするものがあるそうです。人に聞いた話で確かめてないのですが、妙本寺のノウゼンカズラは2度咲きするとのこと! 8月中旬になったら、確かめに行こうと思います。