夏の花、百日紅(サルスベリ)。花の少ない夏後半に、あちこちで見かけます。
咲き始めてからだんだんと色を濃くしていって、花の咲く期間が長いから、漢字で書くと “百・日・紅”。木の幹がすべすべしていて、サルも登れなさそう…ということで、呼び方はサルスベリ。日本語ならではの名前に、親しみの湧く木の花です。
長谷寺には、幹の形もおもしろい大きな木があります。境内には何本も百日紅があって、鮮やかに目立つ花を咲かせています。
いちばん立派な木は、入口のすぐ脇。くねっと曲がった幹が、なめらかな表面を見せていて、「おおーこれは、おサルさんもすべるかもしれないねー」と納得させてくれちゃう姿です。
観音堂のある高台に登る階段を、横切るように大きく伸びている百日紅の木があります。
階段を上り下りしてるときには、幹しか見えないので百日紅とは気づかないかも……。
確かに百日紅に違いないすべすべした幹なのに、見上げても花が見えなくて、階段を下りてからどこに花があるのか探してみました。
花はずーっと高いところ…楓の葉が青々と茂っているのを通り越して、その上で咲いていました!
下からだと、楓の葉に遮られて見えないのです。階段から少し離れて見上げると、濃い色の花がたくさんさいているのが見つかりますよ!
百日紅は、枝の先端だけに花がつきます。
花の重みで枝がたわんで、かすかな風でもゆったりとそよぎます。長谷寺の境内は、海からの涼しい風が入ってきて、花房を揺らしていました。
8月最後の週、急に涼しくなりました。
きっとまた、残暑がぶり返してくるにちがいないけど、萩や女郎花が咲いているのもちらりちらりと見つかるし、夕暮れになると、虫の声も心地よく聞こえてくる…ちょこっとでも秋の気配を楽しみたいここ数日です。
今年は、いまのところ鎌倉を直撃する台風がありません。昨年は台風に吸い上げられた塩水で、樹木が大ダメージ。南側の半分、すっかり葉っぱが枯れちゃった木もありました。紅葉の季節、残念な姿の楓や銀杏の木がいっぱいだったのです。
今年は、楓や銀杏の葉っぱが元気なんですよ! ちょっと気が早いけど、色づくころが楽しみになってきました。