春というより、初夏の陽射しが降り注ぐ鎌倉。
長谷寺の境内は、色彩きらめく花盛り
芽吹きの緑も柔らかく、まさに “鎌倉の西方極楽浄土” 
▲芽吹きが美しい枝垂桜、明るい緑の竹、深い緑の松。その下で、たおやかに咲く牡丹に惹きつけられました。境内に入って、まず目に飛びんできたのは、ゴージャスに咲く牡丹の花々
艶やかで大きな花は、ひと目で訪れる人を魅きつけ、さらに近寄ってみると繊細な花びらの質感に魅入ってしまいます。
まずは観音さまにお参りして…と思っていたのですが、境内に入ったとたん花々に誘われて、池の辺りから弁天窟のあたりまでを、しばしうろうろ…ちょっぴり寄り道しちゃいました。
▲咲く花に誘われます。
▲弁天窟の前あたりも牡丹の園。
▲光に透ける花びらがきれい。
▲近くで見ると花びらの薄い穏やかな風情。「百花の王」と呼ばれるにふさわしい堂々とした迫力と、しなやかで優しい風情を合わせ持った牡丹の花。この季節の主役でありながら、周りの木々の芽吹きの美しさも引きたてていました。
▲傘の下で咲く。牡丹はインパクトの強いイメージがありますが、ここで見る花は優しげです。
新緑の樹々が長谷寺の境内を満たしています。萌える緑に心がわきたちます
▲経蔵の屋根は、若葉の梢枝におおわれて。
▲下境内、放生池のほとりのモミジ。
▲上境内へと向かう参道は、木漏れ日の道。観音堂のある上境内に向かう参道は、モミジの新緑が作るトンネル。木洩れ陽の石畳を歩くと、身体中に清々しい空気が取り込まれていく感じ。植物のパワーを感じます
観音さまにお参りした後、眺望散策路を歩きました。
眺望散策路は、観音山の斜面を上り下りする道ですが、とても歩きやすく整備されています。ゆるやかな階段を上がっていくと、長谷寺境内の建築物が新緑の中に見え隠れ。視線を遠くに移すと、谷戸が重なる鎌倉ならではの地勢が楽しめます。そして、上りきったあたりからは眺望散策路の名の通り、由比ヶ浜・材木座海岸を見渡す眺めがすばらしい!
▲境内が混み合う時間帯でも、眺望散策路はゆったり楽しめます。
▲鎌倉の海を一望! 正面に材木座光明寺山門の屋根が見えます。散策路の両脇には、紫陽花の若葉が元気よく育っていました。早くも、紫陽花が咲く季節を思ってワクワクしちゃう。今年の鎌倉は、梅も桜も本当に花付きが良くて素晴らしかったので、紫陽花もきっと見事に咲いてくれるはず!
眺望散策路から下りてきたら、経蔵まわりの緑の美しさにまたも圧倒されました! 見上げると空が見えないほど若葉が重なり、あたりの空気が薄緑に染まって見えるほど。
▲経蔵まわりのモミジの緑がひときわ美しい。経蔵の脇にあるベンチに座って一休み
目の前にはしっとりとした苔の庭、小さな池に向かって水の流れがあり、清々しい風情です。
散策路を歩いている時に見えるダイナミックな景観と、座って落ち着いて眺める閑静な景色。長谷寺の境内には、訪れた人を楽しませてくれる工夫がここかしこにあって心癒されます。
▲建物と緑の組み合わせも趣があり、お互いを引きたてます。
春から初夏へと季節が進む中、長谷寺境内は次々と花が咲き、見頃が途絶えることはありません。
▲下境内、放生池の辺りをツツジが埋め尽くしてました。
▲妙智池に流れ込む水の際に咲くフジ、咲き始め。
▲経蔵わきの竹林。ヤマブキの花が咲いていました。
▲境内の石段の傍らにある小さな野草の庭。いろいろな草花が植えられていました。
▲海に近いお寺ならではの開放感があります。
いつ来ても、花の絶えることのない長谷寺の境内。
見頃を迎えた花々の近くで、まもなく見頃を迎える花々が控えています。
▲春から初夏の長谷寺は、多くの人が訪れます。休日でも午前中早めは、ゆったりしていますよ。
妙智池のふちの石の上にカメ君を発見! じっと甲羅干ししてたのが、むっくりゆっくり動き出しました。
水面に向かって手を伸ばしたり、首を伸ばしたりしてたので、池に飛び込むのかな? と思ってしばらく眺めちゃいました…結局10分ほどして、またお昼寝に戻ってしまいましたよ。
カメ君は寝てばかりでしたが、放生池では、ときおりバシャリとコイが跳ねます。牡丹やツツジの花の間に蝶々が舞って、どこからかウグイスの声が聞こえてきて、長谷寺の境内は植物だけでなくさまざまな生き物の活気が満ちているようです。