※閉店しました。
鎌倉のデートは基本歩きですよね?
鶴岡八幡宮に参拝した後は、瀟洒なお宅に上がって一休みしましょう!
雪の下の住宅街の路地を行くと、黒板塀に囲まれた邸宅があらわれます。そこが大沸茶廊(おさらぎさろう)です。
飲み物のメニューはお菓子付きで、テラス席1,300円、座敷席1,500円。これがお高いと思って、素通りすると損しちゃいますよ!
天気が穏やかな日は、テラス席もいいですが、鎌倉は思いのほか陽射しが強いので、晴天の日もお座敷のほうがゆっくりできるんじゃないかな…と思います。それにたぶん、お座敷に上がった方が感動します。
手の込んだ造りの日本家屋。
室内はゆったりしていて、落ち着きの極みです。大通りから少し入ったところにあるので静かです。BGMはありませんが、窓を開けると鳥のさえずりが聞こえます。会話が弾んでも、沈黙が長くなっても、すてきなひとときになるでしょう。
注文できるのは飲み物のメニューのみですが、ビールやシャンパンなどアルコールもあります。
お抹茶には、鎌倉・美鈴の生菓子がついてきます。コーヒーや紅茶には、東京、永福・CQLの焼き菓子がついてきます。
どれも季節に合った器で出てきます。お水のグラスやコースターなども統一されてなくて、器をお客に合わせて選んでくれているのかな…いつもすてきで、雑貨好き女子なら(…でなくとも)きゅんとしちゃいます。
庭を散策してみてください。たいてい何か季節の花が咲いています。この庭から眺める風景には、高い建造物がありません。
この建物は、『鞍馬天狗』の作者として有名な作家・大沸次郎(おさらぎ じろう)が所有していた別邸だったそうで、大正八年築、茅葺き屋根の数寄屋造り。
大沸氏は、鎌倉を愛し、鎌倉の風致保全のために尽力しました。この建物も、氏の志を受け継ぎ、文人たちが出入りしたときと、ほとんど同じ姿で残されています。
数年前、初めて大沸茶廊に行ったとき、ちょうど大沸次郎著『パリ燃ゆ』の新装版が出版された時期でした。鎌倉の書店で平積みになっていたので手に取り、読んでみました。
全3巻のノンフィクション大作! 取材を基にしたノンフィクションですが、小説のように登場人物がいきいきとして面白く読めました。あとがきを読んで、大沸氏の真摯な人柄がわかるように思えました。
⇒大沸次郎について知る(Wikipedia)