円覚寺は鎌倉五山第二位。鎌倉幕府八代執権・北条時宗が建立した、格式も歴史もあるお寺です。
境内には、国宝の建物をはじめとした見どころがたくさんあります。その中で、ちょっと見落としがちで行きにくいけど、行ったら絶対に楽しめるのが、「弁天茶屋」です!
※「弁天茶屋」は「洪鐘弁天茶屋」として、新装開店しました!(2016年5月追記)
円覚寺は広いお寺で興味深い物も多いので、じっくり見て回ったら1時間ぐらいかかります。そして、なんとなく順路にそって散策していると、一番最後にでてくるのが、
「国宝 洪鐘→」
という表示です。洪鐘は「おおがね」と読みます。看板に導かれていくと、狭くて急な石段に行きつきます。それを上った山の上に、国宝に指定されている高さ2.6メートルの梵鐘を吊った鐘つき堂があります。
この梵鐘は、鎌倉時代の名工・物部国光の作なのですが、さすがの名工もこの鐘のあまりの大きさに、鋳造を2度失敗します。そのとき、北条時宗の嫡男・貞時が、七晩に渡って江の島弁財天に籠って祈願したところ、3度目の鋳造で成功したのだとか。この成功に感謝して建てられたのが、鐘つき堂の向かいにある弁天堂です。
そして、この弁天堂のとなりにあるのが、「弁天茶屋」。崖ぎりぎりの見晴らし台に席を設けたお休み処です。メニューは一般的な和風甘味なのですが、上ってくるときにはちょっと予想していなかったようなダイナミックな風景が味わえるのです!
円覚寺は広いし、見どころは多いし、洪鐘は境内散策ルートのほぼ最後で、しかも先が見えない狭くて急な石段が立ちはだかります。そのせいもあって、「鐘かぁ…」と思って、パスしちゃう人が多いのかもしれません。週末などで北鎌倉全体が混んでいるときでも、「弁天堂茶屋」は静かで落ち着いてることが多くて、エネルギー補給しながら、のんびりとできるのがうれしい場所です。
茶屋に入らなくても、景色が楽しめるベンチがあるのですが、「弁天堂茶屋」の席の方が、崖ギリギリ感を味わえて楽しいです。
「弁天堂茶屋」に入らないつもりなら、絶対になにか飲み物を持って行ってくださいね。とにかく階段がきついので、のどカラカラのゼイゼイになります!
東慶寺の谷戸が、ジオラマみたいに見下ろせます。梅とか桜が咲く時期だと、ぼぉっとピンクにかすんで見えてすごくかわいいです。見晴らしはいいけど、高さはほどほどなので、人が歩いてる様子もちゃんとわかります。
デートだったら、東慶寺にいった後にここに上ってくると、「さっき、あそこにいたんだね~」みたいな感じで、気分も会話もきっと盛り上がっちゃうにちがいない。
カップルで、ちょっと苦労しながら階段を上っていって、クタクタだけど一緒にいい景色見て良かったねーってなったら、もろもろほぼ成功ですよ。