鏑木清方記念美術館は、賑やかな小町通りから少し奥まった雪の下の住宅街にあります。
鏑木清方(かぶらき きよかた 1878年-1972年)は、上村松園と並び称される近代日本画の巨匠。昭和21年に材木座に居を構え、昭和29年から昭和47年に93歳で亡くなるまでここ雪ノ下に画室を持っていました。
この記念館は、その画室の建物を改築したものです。展示室の規模は大きくありませんが、いつも季節にあわせた展示が行われています。どの季節のどのテーマでも「美人はいいなぁ…」と、しみじみと “美人” を堪能できます。
お正月にあわせて、1月26日まで『清方 新春を祝う ―羽子板展―』が開催されています。
羽子板になった作品を中心とした展示です。江戸末期から明治・大正時代のお正月の風景が繊細に描かれていて、新年らしい晴れやかな気持ちになる展示です。
清方の作品には、明治・大正時代の風俗が綿密に描かれているので、着物好き女子だったら、作品の中に出てくる美人たちの着物の着こなし、色合わせ、柄あわせにため息がでちゃうはず!
鏑木清方の美人画は、「美しい人を描いた美しい絵」なのはもちろんですが、それ以上に、明治・大正時代の文化や風俗、人の立ち振る舞いなど、さまざまなことに興味が広がる面白さがあります。
⇒鏑木清方について知る(Wikipedia)
鏑木清方は、浮世絵師の一門で絵を学び、10代の頃からプロの挿絵画家として活躍していたそうです。鏑木清方記念美術館では、雑誌の口絵や挿絵などもたくさん観ることができます。
口絵や挿絵は、芸術というよりプロっぽい職人的な絵で、軽妙で生き生きとした感じが好きです。
ミュージアムショップで購入できる「時代美人風俗雙六」は、要チェック!
ポスターにもなる美しさで、ちゃんと双六としてのゲーム性を持った仕掛けが楽しい!! 人気画家として活躍していた鏑木清方の、勢いとサービス精神を感じます。
コマごとに描かれた “美人” の素生を知ると、かなりエキサイティングに遊べる双六なんですよー。