北鎌倉の東慶寺で、「東慶寺仏像展 2014」が開催されています。ふだんは、水月堂に安置されていて予約しないと拝観できない『水月観音菩薩半跏像』も展示されています。
⇒「東慶寺仏像展 2015」の記事はこちら!
▲「東慶寺仏像展 2014」4月13日(日)まで。『水月観音菩薩半跏像』の展示は3月27日(木)までです。『水月観音菩薩半跏像』は、岩に腰掛けたゆったりとした姿の観音像です。鎌倉時代中期、13世紀に作られたもので、かなり独特な様式を持った仏像です。このような寛いだ姿の仏像は、当時、中国(宋から元の時代)で大流行した様式だったのですが、京の都では、まったく受け入れられず、日本では鎌倉にしか同じような様式の仏像はありません。
※画像はこちらで⇒水月観音菩薩半跏像
水面に映る月を眺めている姿なので、視線が下方に向いています。緊張している部分はどこにもなく、静かにすっきりと落ち着いた像です。坐している岩肌や、衣の布の流れもゆったりと彫られていて、観音様の前に静かな水面があり、そこに月が浮かぶという景色ごと目に浮かんでくるようです。
高さ34cmと小さな像なのですが、眺めていると想像のスケールが広がっていきます。
「東慶寺仏像展 2014」での展示では、ガラスケースに収められているものの、かなり近くから、横顔や背部も拝見することができます。近くでよく見ると、結い上げられた髪の形、手や足の可愛らしい仕草が良く分かります。
ちょっと屈んで、観音様の目線のあたりから見上げると、瞳がきらりと光るのが見え、なんともリアルな存在感がありました。
▲木がもやっと色づいているのは、花のつぼみがふくらんでいるから!境内では、たくさんある梅が、ぽつぽつと花を咲かせ始めていました。早咲きの木からは清々しい良い香りがしています。来週から再来週ぐらいが見頃でしょうか?
東慶寺は、これから梅に続いて、ミツマタや木蓮、枝垂れ桜と華やかな花の春を迎えます。
▲松岡宝蔵
併設のギャラリーショップは自由に入れます。●松岡宝蔵(東慶寺境内)
開館時間 9:30~15:30
休館日 月曜日(祝祭日の場合は開館)
入館料 300円
▲宝蔵にある『百鬼座禅図』をモチーフにした付箋。他にも、オリジナルの文具があってかわいいです。
東慶寺は東に向かって開いた谷戸にあるので、午前中の方が境内が明るくてきれいですよ。行くなら昼すぎぐらいまでがオススメです。近くにある円覚寺は、反対に西に向かって開いているので、午後の方が陽射しが明るいです。北鎌倉スタートの散策は、まず東慶寺から!
東京方面から電車で鎌倉に向かうと、大船駅を過ぎたあたりから、車窓に梅の花の咲いているのが目につくようになりました。見ごろはもう少し先でしょうが、暖かくなったり急に冷え込んだりするので、予測がつけにくいこの頃です。