アジサイの花が人気ですが、この頃、東慶寺では崖一面のイワタバコがすばらしいのです!
イワタバコは鎌倉のあちこちで目にする植物ですが、東慶寺では境内の奥にある大きな岩崖に、みっちりと群生している様子が圧巻です!
離れていると緑の岩肌に見えますが、近づくとちょっぴりポップな感じの紫色の花がたくさん咲いているのがわかります。大きくて肉厚な葉の間から、ひょこひょこと首を伸ばして咲いてます。
崖の下の道を歩くと、ゆるい坂道になっているせいもあって、お星さまの形をした花が、みんないっせいにこちらを見ているような気がしちゃいます。
東慶寺は間口が広くないので、こじんまりとした小さなお寺といった第一印象なんですが、実は谷戸の奥に広がるダイナミックな空間を持ったお寺です。
東慶寺の入り口は、北鎌倉の駅から続くバス通りから、ちょっと入ったところにあります。
石段を昇ったところにある山門は、茅葺屋根が可愛らしくて、かつて尼寺だっだことをしのばせます。両側にはアジサイが咲いていて、かなり絵になる雰囲気です。
山門を入って、本堂を過ぎるあたりまでは、両側に手入れされた植物が植わった小道になっていますが、その小道がゆるくカーブしたあたりに、菖蒲田があります。
谷戸の奥に向かって広がる菖蒲田に鮮やかな花が咲いていました。
草木に囲まれた小道を歩いて来て、この菖蒲田で奥行きのある視界がぱっと開けるので、ちょっとびっくりするようなほっとするような不思議な気持ちになります。
菖蒲の花は、晴れの日には日差しを受けてエネルギッシュな風景を、雨の日にはアジサイの花と調和してしっとりとした風景を作っています。
そして、左手に菖蒲田を見ながらさらに奥へ進むと、風景が変わります。大きな杉の木が立ち並ぶ谷戸の森が始まり、最初にご紹介したイワタバコの咲く岩崖が見えてくるのです!
春に来ると、山門から本堂にかけて咲く梅が主役になっていて、清楚で手を尽くした庭といった印象ですが、この季節に訪れると、境内に高低差のある谷戸独特の自然な地形が活かされていて、山の奥に入ってしまったような気分が味わえます!
東慶寺は、北鎌倉の花の名所として知られていて、どの季節に訪れても美しいのですが、初夏の今の季節が最も華やかな風景なのではないでしょうか?
もちろんアジサイもたくさんあって、雨ごとに色も濃く鮮やかになってきています!!
東慶寺には何度も来たことあったのですが、イワタバコの見ごろに来たのは初めてでした! すごくワイルドで、いままで持っていた東慶寺のイメージがちょっと変わりました。
境内の奥、墓所のあたりまで行くとかなり山を登っていて、杉の大木に囲まれてしまいます。見渡すと、向かい側の山にある円覚寺の鐘楼が見えたりもします。