街中に、甘く爽やかな風が吹いています。
北鎌倉でも、駅に降り立ったときから、金木犀が香っていることに気づきます。
鎌倉街道に面した東慶寺の入口、右側に金木犀、左側に銀木犀の木があります。境内にも、いくつか金木犀があって、どの木にもたっぷりと花がつき境内を香りで満たしていました。
金木犀って、「花の姿は目立たない…」ってイメージありませんか? 香りで気がついて「どこで咲いてるのかな…?」って探したりしちゃいますよね? でも、今年、東慶寺の金木犀は、木全体がぼおっとオレンジ色に見えるぐらいにたくさんの花が咲いて、花そのものを楽しむことができました。枝に近づいて見ると、小さな花が玉のようにまとまって咲いている様子が可愛らしい 4つの花弁がぱっと開いた花の形も、ポップでなかなかのおしゃれさんです。
金木犀の花は、小粒だけれど花びらのしっかりした花なので、思いのほか開花時期が長いみたい。雨風の後、花がたくさん落ちてしまっても、香りは意外とフレッシュだったりするんです。
そういえば、昨年は咲き始めてから強烈な台風が2つ来たのですが、その後でも良い香りを漂わせていたんですよ。
東慶寺の境内には、秋の草花がのびのびと育っています。一つひとつは線の細い花たちですが、うっそうとするほど良く茂って、風に揺られる様子が風雅です。
目に穏やかな花々と、色が変わり始めた木々の葉、
吹く風に金木犀の香りが運ばれて、季節の移ろいを感じます。
金木犀は、ほんの少しでも咲き始めると香るので、咲き始めたことに気づくのは、まず香りからですね。個人のお宅にも金木犀や銀木犀がけっこうあるようで、鎌倉の街中いたるところで甘く爽やかな香りがしています。
北鎌倉は、線路ぎわにも萩やコスモスがみごとに咲いていたりして、お寺を訪ねて歩く道すがらも秋らしい景色が見つかります。風は爽やかそのもの(陽射しはけっこう強いです、ご注意!)、おしゃれして歩きたくなりますよ。