円応寺は、閻魔大王で知られるお寺。
お堂の前にある2本の大きな金木犀が花をつけて、境内が香りに満ちていました。
▲お堂の屋根よりも高く枝を伸ばした2本の立派な金木犀です。
▲お堂の中には、冥界の十王が待ち構えています!(堂内は撮影禁止です)鎌倉街道から山門へと向かう急な階段を上ると、いちだんと甘い香りが濃くなります。正面のお堂の中では、冥界で死者の魂を裁く十王がズラリと待ち構えています。
正面にいるのは閻魔さま。この閻魔大王座像は、国指定重要文化財です。頭部のみが鎌倉時代に作られた物で、身体部は江戸時代に修復された物だそうです。時代を越えてこの眼差しにドキドキした人がいるのかなと思うと、なんだかわくわくした気持ちもわいてきます。
閻魔さまはお堂の外からでも、その裁きの視線が感じられるような迫力!……なんですが、金木犀の薫るこの時期の円応寺境内は、清々しい香りが満ちていて、地獄の裁きもちょっとあまくしてくれそうな雰囲気がしないでもない……。
表情が笑っているようにも見えるので “笑い閻魔” とも呼ばれている円応寺の閻魔さま、お堂の中も金木犀の香りがいっぱいで、厳しい地獄の取り調べは行えそうにありません。
▲お堂の軒下に座って、風に揺れる金木犀を眺める。
▲花そのものは地味だけれど、その香りは濃密。木のまわりが贅沢な空間になります。
▲緑濃い境内に、金木犀の香りが立ちこめます。お参りして冥界の十王にお会いした後は、お堂の軒下のベンチで一休み。
境内には散りかけの萩の花がちらほら残っていて可愛らしい姿を見せていました。
▲茅葺の風情のある鐘楼。広くはないけれど、趣あふれる境内です。
▲山門に上がる階段には咲き残った萩の花。
▲ちょっぴり萩も…。
街中にほんのり金木犀の香りがしています!
今年は、きっちり秋がやってきたなぁと思います。北鎌倉を歩いていると、線路際にコスモスが咲いてたりしていい感じですね。
円応寺の閻魔さまは、“笑い閻魔” といわれるだけあってコミカルな表情。それでも、お堂に入って冥界の十王に囲まれると、反省というか、なんというか…思い当たることが0の人って、あんまりいませんよね??? 拝観受付でいただけるパンフレットに、「閻魔大王さまの前にて、合掌して心静かに三度唱えると、今までに犯した罪は全て許されます」という、懺悔文(ざんげもん)が載っていますよー!