東西と北(背後)を緑深い山に囲まれた朱の社殿。鶴岡八幡宮は、地理的にも歴史的にも、鎌倉の中心です。
一年を通じて多くの参拝者がありますが、なんとお正月三ヶ日には250万人が初詣に訪れるとか
ご利益は、必勝祈願 、仕事運向上など。さらに、縁の深い源頼朝公と政子にちなんで、縁結び、良縁、恋愛成就のご利益でも知られています
2016年3月に、参道・若宮大路の段葛も修復されました。車道から1段高くなった道を歩くと、一歩ごとに八幡宮の朱色の建物が迫ってきます。
本殿に向かう大石段の下にある舞殿は、鶴岡八幡宮の最も特徴的な建物。下拝殿とも呼ばれ、鶴岡八幡宮のさまざまな儀式を執り行う場所です。静御前が義経を慕って舞った若宮廻廊があったところといわれています。
61段の大石段を上がると、鶴岡八幡宮の中心となる本宮があります。朱塗り二層の立派な楼門。掲げられた「八幡宮」の額の “八” の字は、向かい合う鳩の形をしています。
ここから、鎌倉の街を見渡すことができます。まっすぐに伸びた若宮大路、その先に相模湾の海の煌めきを望みます。
海に向かって続く道に、三の鳥居、二の鳥居、一の鳥居が整然と並ぶ様子が見え、その両側の市街地が谷戸の奥に広がる様子がわかります。
鶴岡八幡宮の境内には、歴史的にも文化的にも興味深い末社があります。
ご利益もさまざまなので、ぜひお参りください。
旗上弁財天社
旗上弁財天社は、源平池の東の池に浮かぶ島にあります。
源頼朝は平家を討つために旗上げしたとき、弁財天のお告げを受けて勝機をつかんだと伝えられています。
現在のお社は、八幡宮の創建800年(昭和55年)のときに、江戸時代後期の古図をもとにして新たに建てられたものです。
お社の周囲に建てられた「源氏の二引きの白旗」が、池を渡る風にはためいています。晴天の日は、水面がキラキラ輝いて、“旗上” の名にふさわしいエネルギッシュな雰囲気が溢れています。
お社の裏手には、「政子石」と呼ばれる石が置かれています。この石は、子宝や安産のご利益で知られていますが、最近では縁結びのパワーもあるといわれていますよ
鎌倉江の島七福神の巡礼札所の一つ
※鎌倉江の島七福神めぐりは、弁財天が江ノ島と旗上の2カ所あるので、全部で8カ所を巡ります。
白旗神社
源頼朝と実朝を祀るお社です。
源頼家が、父である頼朝を祀るために創建したお社だったものに、後に実朝が合祀されました。
黒色の漆塗りに金の飾りが厳かに輝き、武士を祀るお社そのものといった風格です。必勝や学業成就のご利益で知られています。
天正十八年(1590年)、小田原合戦に勝利した豊臣秀吉が白幡神社に参拝し、同じ「天下を取った者」として、安置されていた頼朝像と語り合ったというお話もあるそうです。
丸山稲荷社
鎌倉の地に古くから祀られていた神社で、鶴岡八幡宮が現在の場所に遷ってきたときに土地を譲った神さまです。もともとは、現在、本殿がある場所に建っていたそうです。正面を本殿の方に向け、鶴岡八幡宮の繁栄を守っています。
小さな社殿ですが、室町時代に建てられたもので、鎌倉に残る建物の中で最も古い建物です。
商売繁昌を願う多くの人々から奉納された赤い旗で囲まれ、社殿に向かう参道には赤い鳥居の列が続いています。
大銀杏
平成二十二年三月十日未明、樹齢1000年ともいわれ、鎌倉の歴史とともにあった大銀杏が倒伏しました。
現在は、倒れた大銀杏の根のあったところに芽吹いたヒコバエが、3mほどに成長しています。すぐ横には、“親銀杏” としてもとの銀杏の幹が据えられ、この幹も根を張り芽吹きを見せています。これらの銀杏の木は、ともに御神木として大切にお祀りされています。
鎌倉の最もエネルギッシュな時代に、あまたの歴史的な出来事の舞台となった鶴岡八幡宮。
今でも、鎌倉に住んでたり、訪れたりする多くの人……普段はとくに信仰のことを意識しない人でも、なにかのとき、ここぞ!というときには頼りたくなるのが八幡さまなんじゃないかと思います。
お正月三ヶ日は、参拝する人が多くて参道をロープで仕切って入場制限するほどです。境内には露店もたくさん出て、とても混雑しますが、お正月らしい賑わいで楽しい!
鶴岡八幡宮は、12月31日から1月4日の間は、なんと24時間参拝できます!(1月4日は午後9時まで)