大町、松葉ヶ谷の妙法寺は、日蓮上人ゆかりの静かなお寺です。
妙法寺では、毎年5月5日に、菖蒲の葉っぱが入った「加藤清正公勝守」を授与しています。
加藤清正は、安土桃山時代から江戸時代の初めに活躍した武将ですが、日蓮上人の教えに帰依し、出陣する際には「南無妙法蓮華経」を旗印にしていました。戦場で勇猛果敢に戦えるのは法華経の力によるものと、深く信仰していたと伝えられています。
清正公は、武者絵や銅像などで、よく長烏帽子形兜(ながえぼしなりかぶと)という上に長く伸びた形の兜を冠った姿で描かれていますよね。
菖蒲の葉がすっと伸びた「加藤清正公勝守」の形が、長烏帽子形兜をつけた清正公のイメージと重なるように見えてきた ご利益も強そう
菖蒲(しょうぶ)の節句に授かる、数々の勝負(しょうぶ)で勝ち名乗りを上げた清正公のお守りです! 緑鮮やかな菖蒲の葉が差してあって、手にするとキリリと心が引き締まりました
この季節、境内は若葉の匂いで満ちています。
妙法寺の境内には大木が多く、豊かに茂った木々が建物をおおい隠すかのようです。
ゴールデンウィーク中には、早くも初夏の陽射しを感じた鎌倉ですが、木々の葉の下で苔やシダが良く育っていました。
本堂の裏手、仁王門の奥にある石段は、厚く苔におおわれています。ゆらゆらと木々の影が落ちて、所々で光を受けた若々しい苔の緑が輝くようです。
この苔の階段の上にも、お堂や鐘楼があり境内が広がっています。どんどん上っていくと山頂に大塔宮護良親王の墓所があり、そこからは相模湾の海のきらめきが望めます。西方の空がすっきり晴れている日には、富士山の姿を見ることもできます。
森の中にすっぽりとお寺が包まれているようで、若葉の匂いと木洩れ陽のきらめきを楽しみました。
※苔の階段は通行できません。脇に作られた新しい階段を上っていきます。
妙法寺では、拝観の受付を済ますと係の方がお線香に火を灯して手渡してくれます。まずは、本堂に参拝して、それから境内を散策します。境内は植物の自然な姿を残すように手入れされ、鳥の声が響きます。
妙法寺は “鎌倉の苔寺” とも呼ばれています。
晴れた日は木洩れ陽がきれいだけど、雨降りの日も魅力を増します。
5月に入って、街中でツバメの姿もよく見るようになりました。寺社の境内など樹木の茂るところでは、ウグイスの声がパワフルに響いてきます。
鎌倉を歩いてるとよく耳にするのが「ツーピ、ツツピ!」という声ですが、この鳴き声はシジュウカラ。スズメより小柄で尾羽が長めのシルエットで、電線なんかにもよく止まっています。
そのシジュウカラが! なんと! 縁側に置いてあったカエルの置物の中に巣を作っちゃったんですよ!! カエルの口から出入りしてます。親鳥が虫をくわえて入っていくと、カエルのお腹から「ぴーぴー!」とヒナの合唱が聞こえてきます。
調べてみたらあと10日ぐらいで巣立ちしそうなんです。みんな無事に巣立つよう祈ってます。