大町の安養院は、鎌倉でいちばんのツツジの名所。通りに面して盛り上がるように咲きます。
石垣の上に咲くので、通りがかると花が上から覆い被さるようです。
境内に咲くツツジは、すべてオオムラサキツツジ。濃いピンク色の大輪花が、枝先にみっちりとついて、晴天の強い陽射しの日には目の覚めるような鮮やかさです。
安養院のご本尊は北条政子と源頼朝の縁を結んだといわれる千手観音さま。「良縁観音」とも呼ばれています。本堂に参拝すると、阿弥陀如来の後ろに観音さまの御姿を拝見できます。
境内の地蔵堂に安置されている日限地蔵さまも、恋愛成就の願いをよくきいてくださるそうです。周囲を濃いピンク色の花で囲まれた時期は、恋のパワーが強くなってるかも
境内の外側は濃い花色で覆われ、まるで花の要塞のようになっていますが、山門を入ると明るく穏やかな雰囲気があります。
この優しい雰囲気を作っているのは、樹齢700年と言われる槙の古木。安養院開山である尊観上人の御手植えと伝えられています。歴史を感じる堂々とした幹と枝先のみずみずしい若葉のコントラストが印象的。日当りの良い境内に大きく枝が広がり、木洩れ陽の美しい景色を作っています。
眩しい鮮やかさのツツジと、穏やかな木洩れ陽の境内。
初夏の鎌倉らしい活力あふれる花の名所です。
この時期、若宮大路沿いや小さな公園などにもツツジの花は良く見かけられます。「ツツジって、とくに珍しくないよね」って感じもしますが、安養院のオオムラサキツツジの圧倒的なボリューム感は、一見の価値ありって思います!!
鎌倉駅から安養院に向かうと、大町交差点を少し過ぎたあたりから巨大なピンクの花の固まりが、どーんと空中に浮かぶように見えますよー!
外側の石垣の上のツツジは、もう咲き切った感じですが、境内は木陰がちなせいかすこーし遅れて満開になります。